
府中の森市民聖苑は、府中市が設置・運営する公営の斎場です。利用条件、申請の順序、費用、式場の規模やアクセスまで、実務の流れに合わせて要点を整理しました。どの段階からでも確認できるよう、必要書類や優遇制度も明記。開館時間や安置・火葬の取り扱いも含め、まずは仮予約から落ち着いて進めましょう。
執筆者
株式会社ラストセレモニー
代表取締役
横島 恵一
府中の森市民聖苑での年間施行数100件以上。
東京都府中市を拠点に、火葬式・一日葬・家族葬・一般葬まで、ご遺族の不安を一つずつ解消する“分かりやすい説明と丁寧な進行”を大切にしています。事前相談から葬儀後の手続きまで切れ目なく支える体制で、地域に根差した運営を続けています。
府中の森市民聖苑の
概要と安心できる特徴
府中の森市民聖苑の概要と安心できる特徴
通夜・告別式・火葬・法要を同じ敷地で完結できる点が大きな安心です。ご高齢の方にも配慮した動線で、移動の負担が少なくすみます。開館は8:30〜21:00、電話の仮予約は24時間受付です。敷地内連携により、天候や移動の心配を最小限に抑えられます。
| 設備 | 主な内容 |
|---|---|
| 式場 | 第1・第2 各90席、第3 140席、第4 50席。常設祭壇と各控室あり。 |
| 火葬設備 | 大型火葬炉6基。告別室2室、収骨室2室を併設。 |
| 霊安室 | 2室(保冷庫9基)。安置は24時間単位、延長は12時間ごと。 |
| 法要・待合 | 法要室4室(連結可)。待合室5室(和室・30人用)。 |
| 駐車場 | 地下79台。障害者手帳の提示で料金免除。 |
利用条件
(誰が使えるか)
利用条件(誰が使えるか)
判断基準は「住所地」と「ご関係」です。喪主は葬儀の代表者、故人さまはお亡くなりになった方のことです。2親等とは親・子・兄弟姉妹・祖父母・孫の範囲を指します。関係性の確認は、手続きの正確性を高めるうえで重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原則の対象 | 死亡時に府中市の住民基本台帳に登録のあった故人さま。 |
| 例外の対象 | 喪主が府中市民で、故人さまの配偶者または2親等以内。 |
| 2親等の範囲 | 親・子・兄弟姉妹・祖父母・孫。甥・姪は対象外。 |
| 確認書類の考え方 | 身分確認、続柄が分かるもの、住所が分かるもの。(戸籍謄本・除籍謄本・住民票など) |
| 市外故人の手続き | 所定の申出書の提出が必要。窓口で案内します。 |
予約と申請の流れ
予約と申請の流れ
迷ったときは順番だけ意識しましょう。仮予約→書類準備→窓口申請・納付→使用許可の受領という流れです。申請・納付は8:30〜17:00(休館日除く)です。電話は24時間つながるため、状況に合わせて早めに仮予約を入れると安心です。
- 24時間の電話で仮予約を入れる(0120-315-594)。
- 利用条件に当てはまるかを口頭で確認する。
- 役所交付の死亡手続き書類を準備する(原本)。
- 窓口で申請と納付を行い、使用許可書を受け取る。
- 休館日や火葬を行わない日の確認をする。
まだ人数や形式が決まっていなくても大丈夫です。まずは仮予約で枠を確保し、詳細は窓口で確認・調整すると進行が整いやすくなります。
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使用料と
市民向けの優遇
使用料と市民向けの優遇
府中の森市民聖苑は、市民の火葬室は無料です。式場や霊安室、法要室、駐車場は別料金です。霊安室は24時間単位で、延長は12時間ごとの加算です。令和7年1月から霊安室の運用が見直され、火葬枠も増設されています。
| 区分 | 内容・料金 |
|---|---|
| 火葬室 | 市民は無料(利用条件を満たす方)。 |
| 式場 | 第1・第2 各25,000円/回、第3 50,000円/回、第4 15,000円/回。 |
| 霊安室 | 24時間 2,000円。延長12時間ごと 1,000円。 |
| 法要室 | 市民 2時間 3,000円、市民以外 2時間 6,000円。 |
| 駐車場 | 1時間 100円、2時間 200円、2時間超 300円。障害者手帳で免除。 |
| 受付時間 | 申請・納付 8:30〜17:00(休館日除く)。電話予約は24時間。 |
あわせて、葬祭費補助金は制度により5〜7万円の支給が見込める場合があります。勤務先の健康保険では埋葬料が対象となることもあり、いずれか一方のみ受給です。詳細は府中の森市民聖苑の窓口またはお電話でご確認ください。
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式場選びと
当日のながれ
式場選びと当日のながれ
席数は「着席の目安」です。参列者に人数が増える可能性があるため、少し余裕のある式場を選ぶと安心です。当日は、式場→告別室→火葬室→待合室→収骨室という順で、敷地内で落ち着いて進行します。
第1・第2式場は中規模の家族葬や一般葬に向きます。第3式場は参列が多い場合に安心です。第4式場は近しい方中心の小規模に適します。集合は、ご遺族は開式の約1時間前、受付係は約45分前、導師は約30分前が目安です。
霊安室の安置と
残骨・分骨
霊安室の安置と残骨・分骨
安置(お亡くなりになった方を火葬の日まで安静にさせること)は24時間2,000円、延長は12時間ごと1,000円です。延長が見込みとなる場合は早めのご相談で費用と日程が整いやすくなります。面会の取り扱いは運用で変わることがあります。
収骨後は、すべて持ち帰る、分骨を行う、残骨の処理を申し出る、のいずれかを選べます。分骨を行う場合は分骨証明が必要となることがあります。市外の故人さまを扱う場合は、喪主が府中市民で配偶者または2親等以内であること、そして申出書の提出が必要です。
交通案内と
駐車場
交通案内と駐車場
所在地は府中市浅間町1-3です。最寄りは京王線の東府中駅で、徒歩の目安は約12〜15分。府中駅からは徒歩約25分です。ちゅうバス「市民聖苑前」下車すぐで、雨天時も移動負担を抑えられます。
- 電車: 東府中駅から徒歩約12〜15分。府中駅から徒歩約25分。
- バス: ちゅうバス「市民聖苑前」下車すぐ。
- タクシー: 東府中駅・府中駅から近距離。
- 車: 地下駐車場79台。混雑時は公共交通の併用が安心。
駐車料金は1時間100円、2時間200円、2時間超は300円です。障害者手帳のご提示で免除となります。満車の時間帯がありますので、時間にゆとりを持ってお越しください。制度や適用条件の詳細は、下記の「よくある質問」もご参照ください。
よくある質問
よくある質問
市外の故人は利用できますか
喪主が府中市民で、故人が配偶者または2親等以内であれば、利用できる場合があります。原則は「故人が府中市民」ですが、一定の条件で取り扱い可能です。
この場合は所定の申出書の提出が必要です。続柄や住所が確認できる書類については、名称が不明でも窓口で案内します。
火葬は本当に無料ですか
市民の火葬室は、利用条件を満たす場合に無料です。対象外の場合や、市民以外は有料となります。
なお、式場・霊安室・法要室・駐車場は別料金です。具体的な金額や適用条件は、使用前に窓口でご確認ください。
申請手続きの流れは?
基本は、仮予約→必要書類準備→窓口で申請・納付→使用許可書の受領の順です。仮予約は24時間、申請・納付は8:30〜17:00(休館日除く)で受け付けています。
書類は役所交付の原本が基本です。不明な点は仮予約時に確認すると、窓口手続きが円滑になります。
府中の森市民聖苑
での事例
府中の森市民聖苑での事例
80代女性の家族葬
府中市内の病院でご逝去された86歳の女性の家族葬は、喪主の長男と近親者のみで府中の森市民聖苑の第4式場を利用して行われました。病院から直接霊安室に安置し、通夜は静かに執り行い、告別式後は同敷地内の火葬場で火葬、収骨まで一日の流れで進みました。
仮予約は電話で行い、市役所窓口で使用許可を受け、霊安室は24時間単位で延長しました。葬儀社と連携し、案内表示や受付設営を整えたことで、参列者からは手続きの分かりやすさに安心されたという声がありました。
90代男性の一日葬
府中市内の介護老人福祉施設で永眠された92歳の男性は、家族の希望で一日葬を選択し、府中の森市民聖苑の第2式場で告別式のみを執り行いました。午前に霊安室で安置・最終の対面を済ませ、午後に式場で短時間の弔辞と焼香を行い、当日中に敷地内火葬場で火葬・収骨まで完了。
駅からのアクセスや駐車場の利便性が遠方からの親族に好評でした。事前に仮予約を入れ、市役所窓口で使用許可を受けたため手続きがスムーズに進行。市民の火葬が無料となる条件を満たし、費用面でも家族の負担軽減につながりました。
まとめ
まとめ
府中の森市民聖苑は、通夜・告別式・火葬・法要を同一敷地で行える公営斎場です。利用は原則府中市民または条件を満たす喪主が対象で、仮予約は24時間、申請と納付は窓口(8:30〜17:00)で行います。式場や霊安室は有料で、火葬は条件により無料です。手続きや料金、安置・分骨は事前に窓口へご相談ください。
監修者

株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮
葬儀業界専門の集客支援や人材サービスを手がける株式会社ディライト代表。21歳で起業し、2007年に同社を設立。葬儀・供養分野に特化したWebサービス「葬儀の口コミ」「お墓の口コミ」などを運営し、業界のデジタル化を推進している。著書『後悔しない葬儀とお墓選び』(クロスメディア・パブリッシング)はAmazon冠婚葬祭部門で1位を獲得。公益財団法人スクールエイドジャパンほか複数の団体で理事を務め、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
